Smart-UPSシリーズ(SU, SUAシリーズ)の前面パネルのLEDの図解とその詳細について説明しています。
Smart-UPS (SU/SUAシリーズ)の前面パネルのLED表示についての概要について
図1. 前面パネルのLED表示
1. 負荷状態LED (緑 5個)
[表示]
UPSに接続されている負荷機器が使用中の電力を表示。
[内容]
表示はUPSの最大出力容量に対し5つのLED点灯を上限とし、接続している負荷機器の状態により随時LEDの点灯する数が変化します。
常時4つもしくは5つ点灯している場合にはUPSの仕様を超える接続になっている可能性があり、瞬間的、慢性的に過負荷になることが考えられます。
その場合には接続している負荷機器を減らすなど、負荷の電力容量を減らして運用いただくことを推奨いたします。
2. AVR Trim LED (橙)
[表示]
UPSが負荷機器にAC電圧を下降補正して出力している間、点灯。
[内容]
この時、商用電源電圧の切替値を108Vに設定時には約108〜119Vの間約12% *1 下降させ負荷機器に対してより100Vに近い電圧値にて電源を供給します。
入力電源側の電圧がしきい値を超えた場合にこの機能が動作し、戻り値を下回ると機能を解除します。商用電源電圧が高い環境下において本機能が作動します。
3. オンライン運転中LED (緑)
[表示]
UPSが負荷機器に商用電源を供給している間、点灯。
[内容]
通常時このLEDは点灯。
4. AVR Boost LED (橙)
[表示]
UPSが負荷機器にAC電圧を上昇補正して出力している間、点灯。
[内容]
この時、商用電源電圧の切替値を92Vに設定時には約82〜92Vの間約10%、約76〜82Vの間約24% *1 上昇させ、負荷機器に対してより100Vに近い電圧値にて電源を供給します。
入力電源側の電圧がしきい値を下回った場合にこの機能が動作し、戻り値を上回ると機能を解除します。商用電源電圧が低い環境下において本機能が作動します。
5. 過負荷状態LED (赤)
[表示]
UPSに接続されている装置がUPSの最大出力容量を超えると点灯。
[内容]
連続音が鳴る。負荷機器を減らし、最大消費電力がUPSの最大出力容量を超えないように機器を接続してください。
オンライン運転中は、過負荷保護用ブレーカがトリップしない限り電力は継続して供給されますが、
UPSがバッテリー運転中に連続して過負荷状態を検知した場合には
UPS本体のダメージ回避のため出力を停止することから十分なバックアップ時間を期待出来ません。
また、負荷機器を接続してないうえで点灯している場合には商用電源の電圧不足、内部故障等が考えられることより弊社にお問い合わせください。
6. バッテリー運転中LED (橙)
[表示]
UPSがバッテリから電力を供給している間点灯。
[内容]
この間アラーム音が30秒毎に警告音が4回鳴ります。停電など、入力電源側に何らかの電源障害が発生していることが考えれます。
7. 要バッテリー交換LED (赤)
[表示]
・点灯の場合: UPSのセルフテスト時にバッテリーが不合格になると点灯。
この状態ではUPSは短い断続音が約1分間、その後約5時間おきにアラーム音を鳴らし状態を通知します。
バッテリー充電LEDが5個点灯するまで充電を行なった上でセルフテストを行った場合で点灯する場合、電源障害時に期待されたバックアップを確保出来ない状態と考えられます。
早急にバッテリー交換等の対応が必要となります。
・点滅の場合: バッテリーが未接続の場合に点滅。
バッテリーのコネクタが外れている、もしくはバッテリーが著しく劣化し電圧が不十分であることが考えられます。
バッテリーには寿命があり、バッテリーのコンディションはUPSのバックアップ時間に影響します。
バッテリー交換LEDの点灯の有無に関わらず、バッテリーは定期交換により寿命が向かえる前にご交換ください。
[定期交換] APC UPS バッテリーの定期交換について
Smart-UPS (SU/SUAシリーズ)のバッテリー交換LED点滅時の対処方法
8. バッテリ充電LED/商用電源電圧LED (緑 5個)
[表示]
現在のバッテリー充電量をパーセンテージで表示。
96%以上 *1 の充電状態で全てが点灯します。
[内容]
点滅の場合:現在の負荷容量とバッテリー充電容量から算出したランタイムがUPSローバッテリー信号時間を満たせないことを示します。
バッテリー運転中にこの点滅の状態の場合には断続音を鳴らします。
バッテリーによるバックアップ時間が残りわずかとなりますのでバッテリー運転中の警告の際には速やかに負荷機器を停止下さい。
ランタイムとは現在の負荷容量とバッテリー容量から算出した予想されるバックアップ時間であり、ローバッテリー信号時間はバッテリー容量低下警告時間のことを示します。
このローバッテリー信号時間はUPS内部に保存されておりデフォルトで2分、またはソフトウェア、アクセサリーのNetwork Management Cardにて変更した任意の時間となります。
本LEDはオン/テストボタンを押した状態で入力側商用電源電圧を観測でき、その際の表示により大まかな電圧を確認することが可能です。
スリープ状態時の表示
スリープ状態とはソフトウェア、アクセサリからのスケジュールにてUPS出力がOffからOnなるまでの期間
もしくは電源障害からOSシャットダウン後電源復旧を監視している期間のUPSのモードとなります。
その他の表示
複数の相容れない機能のLEDが点滅、点灯している場合には故障を示している可能性があります。
マニュアルのトラブルシューティングにて相当するLEDの状態がないか確認のうえ、弊社にお問い合わせください。
A: オン/テストボタン
UPSを起動します。オンライン運転中に本ボタンを数秒間押し続けることでセルフテストを実行します。
セルフテストに移行しますとオンライン運転中LEDが点滅、バッテリー運転中LEDが点灯し約10秒でテストが終了します。
セルフテスト時はそのテストを行うためにバッテリー運転に切り替わります。また、その間にこのボタンを押している間、
入力側商用電源電圧をバッテリー充電LED/商用電源電圧LEDにて表示します。
B: オフボタン
UPSを停止します。オフボタンを押しますと即時、負荷機器側の電源も供給を停止します。
コンピュータを接続されている際にはあらかじめ機器をシャットダウンした上で停止してください。
また、アクセサリを追加する場合、UPSを長期保管する際にはコンセントを抜いた上で再度オフボタンを長押し、完全停(ブレインオフ)してください。
完全停止にさせない場合には内部回路にバッテリーで電力を供給しておりバッテリーの電力を消費します。
[ブレインオフ] : Smart-UPS (SU/SUAシリーズ)、Smart-UPS RTのブレインオフ
*1 機種により数値は異なります。
・本案内のLEDの配列ならびに表示はSmart-UPS 、Smart-UPS ブラックモデル、 Smart-UPS RM[ラックマウントタイプ]それぞれ同様です。
・文中の警告音はUPSの機種と設定により、解除設定されてる場合には音による警告なしでのLEDの表示のみになります。
図2. Smart-UPS(筺体色:白) 前面パネルの表示例
* 配列、内容はブラックモデルと同様です