このページは富士通株式会社製PowerChute Network Shutdown v4.3 for VirtualizationによるvSphere 7.0 Update1以降の対応について説明しています。
【対象の製品バージョンとシステム環境】
富士通製PowerChute Network Shutdown v4.3 for Virtualization(型番:B5141EH8C)
VMware vSphere 7.0 Update 1以降
【概要】
VMware vSphere 7.0 Update 1以降でvSphere Clustering Service(vCLS)が有効になっている場合には、
従来とは異なりPowerChute によってESXiホストをメンテナンスモードに移行することができません。
これは、クラスターに最大で3つのvCLSエージェントVMがデプロイされており、
他のユーザーVMとともにVMシャットダウンステップ中に電源をオフにできないことに起因します。
vCenter ServerがvCLSの電源がオフになっていることを検出すると、自動的に電源をオンに戻すことから、
vCLSが存在するホストをメンテナンスモードにすることができません。
【対応方法】
Retreatモードを有効にしてvCLSを制御するスクリプトを以下の手順に従ってPowerChuteで設定します。
PowerChuteはESXiホスト、または物理Windowsマシンに展開/インストールしますが、
ESXiに展開する場合は、本手順に従って設定を行うために予めPowerShellとPowerCLIがインストールされた
PowerChuteの仮想アプライアンスをこちら よりダウンロードして使用します。
ダウンロードしたOVAファイルをvCenterの管理画面よりデプロイします。手順については、添付ファイルを参照してください。
注1:ダウンロードと使用には、富士通製PowerChute Network Shutdown v4.3 for Virtualizationのライセンスを保持している必要があります。
注2:PowerChuteを物理Windowsマシンにインストールした構成では、PowerShellからPowerCLIを実行できる環境を準備していただく必要があります。
注3:サポートされるPowerShellおよびPowerCLIのバージョンについて、PowerChute仮想アプライアンスを使用する場合は、
実装済みとして提供するバージョン(PowerShell 7.1.3、PowerCLI 12.1)がサポートされます。
物理WindowsマシンにインストールするPowerChuteでは、PowerShell についてはシステムにインストールされているバージョンを使用し、PowerCLI 12.1以降をサポートしています。
1. 遅延メンテナンスモードが有効になっていることを確認します。
2. 仮想マシン移行の設定でVMの有効化にチェックを入れ、所要時間を300秒に設定します。
「移行用のターゲットホストの選択」のチェックを入れ、ターゲットホストの選択は行わず、そのまま設定を完了します。
3. Retreatモードを有効にするため、PowerShellスクリプトを使用します。
→ 方法と手順については、添付のドキュメントを参照してください。
シャットダウン例:
上記設定と、スクリプトを登録したときのシャットダウンフローは以下のようになります。
1. PowerChuteがUPSの停電を検知します
2. 指定された遅延時間経過後、PowerChuteはシャットダウンシーケンスを開始します
3. PowerChuteがUPSに対して停止命令(Turn off)を開始します
4. PowerChuteがVM移行を開始します(※ターゲットホストの登録がないため、実際には移行は行われません)
5. 同時に、PowerChuteがRetreatモードを有効にするスクリプトを実行します
6. Retreatモードの有効化により、vCLS VMの停止が開始されます
7. 移行時間の遅延完了後、PowerChuteはユーザーVMの停止、VCSAの停止を開始します
8. PowerChuteが各ESXiホストに対してメンテナンスモードを実行します
(※PowerChuteがVMとして動作するアプライアンスを使用している場合は、そのホストのみメンテナンスモード移行は行われません)
9. PowerChuteがESXiホストのシャットダウンを開始します