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PowerChute Network Shutdown for Virtualization v4.x vSphere 7.0 Update 1でのvCLSの制御について

このページはPowerChute Network Shutdown によるvSphere 7.0 Update 1以降でのvCLSの制御について説明しています。


【対象の製品バージョン】
PowerChute Network Shutdown for Virtualization v4.3
PowerChute Network Shutdown for Virtualization v4.4


【システム環境】
VMware vSphere 7.0 Update 1以降


【概要】
VMware vSphere 7.0 Update 1以降でvSphere Clustering Service(vCLS) が有効になっている場合には、
従来とは異なりPowerChute によってESXiホストをメンテナンスモードに移行することができません。
これは、クラスターに最大で3つのvCLSエージェントVMがデプロイされており、
他のユーザーVMとともにVMシャットダウンステップ中に電源をオフにできないことに起因します。
vCenter ServerがvCLSの電源がオフになっていることを検出すると、自動的に電源をオンに戻すことから、
vCLSが存在するホストをメンテナンスモードにすることができません。


【対応方法】
以下のいずれかの対応が必要です。
・PowerChute Network Shutdown v5.0以降は、vCLSの制御をシャットダウンシーケンスの中で自動的に行うように改良されております。
v4.xをお使いの場合は、v5.0へアップグレードし、PowerChuteセットアップを再度実行ください。

・継続してv4.xをご使用になる場合は、下記の2つのコマンド実装による対応方法について説明します。

A. Retreatモードを有効にしてvCLSを制御するスクリプトをPowerChuteに設定する(推奨方法)
B. Retreatモードを有効にするスクリプトを使用せず、PowerChuteの仮想マシンの優先度付けにより制御する



● A. Retreatモードを有効にしてvCLSを制御するスクリプトをPowerChuteに設定する(推奨方法)

1. 遅延メンテナンスモードが有効になっていることを確認します
2. 仮想マシン移行の設定でVMの有効化にチェックを入れ、所要時間を300秒に設定します
「移行用のターゲットホストの選択」のチェックを入れ、ターゲットホストの選択は行わず、
そのまま設定を完了します
3. Retreatモードを有効にするため、PowerShellスクリプトを使用します
→ 方法と手順については、添付のドキュメントを参照してください
(後半のSSHアクションの設定については、PowerChute Network Shutdown v4.4でのみ対応可能な設定です)

シャットダウン例:
上記設定と、スクリプトを登録したときのシャットダウンフローは以下のようになります。

1. PowerChuteがUPSの停電を検知します
2. 指定された遅延時間経過後、PowerChuteはシャットダウンシーケンスを開始します
3. PowerChuteがUPSに対して停止命令(Turn off) を開始します
4. PowerChuteがVM移行を開始します
(ターゲットホストの登録がないため、実際には移行は行われません)
5. 同時に、PowerChuteがRetreatモードを有効にするスクリプトを実行します
6. Retreatモードの有効化により、vCLS VMの停止が開始されます
7. 移行時間の遅延完了後、PowerChuteはユーザーVMの停止、VCSAの停止を開始します
8. PowerChuteが各ESXiホストに対してメンテナンスモードを実行します
(PowerChuteがVMとして動作するアプライアンスを使用している場合は、
そのホストのみメンテナンスモード移行は行われません)
9. PowerChuteがESXiホストのシャットダウンを開始します



● B. Retreatモードを有効にするスクリプトを使用せず、PowerChuteの仮想マシンの優先度付けにより制御する

1. PowerChute Web UIでVMの優先順位付けを有効にし、
vCLS VMをvCenter Server VMよりも優先度の高いグループに追加します
2. ホストメンテナンスモードの遅延を有効にします。
→ 上記設定により、シャットダウン時にvCenter Serverの電源オフを先に行うことで、
vCLS VMが再起動されることなく、ホストをメンテナンスモードに移行して
シャットダウンシーケンスが完了します


本手順を設定する場合は、以下の構成条件および運用の制限に限定されます。

- 2ノード構成を含む複数ESXiホストで構成され、vCenter Sever VMを展開するホストを含めた
すべてのESXiホストが単一のUPSで電源保護されるシングルUPS構成、もしくは冗長UPS構成
- 複数UPSによるアドバンスドUPS構成の場合は、電源障害時にいずれかのUPSグループが
バッテリー運転になった時にすべてのホストをシャットダウンする


注:  シャットダウンおよび電源復旧後の自動起動が正常に動作することを弊社で動作検証済みで
サポート対象となりますが、スクリプトの実装が特定の理由もしくは
条件により不可である場合においてのみの代替方法としてください。



【サポート構成例】

3ノード以上vSAN シングルUPS構成

01


2ノードvSAN シングルUPS構成

02


2ノードvSAN アドバンスドUPS構成
注: 設定方法B.の制御では、下図のような構成のいずれかのUPSグループでバッテリー運転になった際に
システムシャットダウンする条件に限定されます。

03


その他注意事項:
・ vSphere 7.0 Update 1以降でvCLSを有効にした場合、PowerChuteによるFTTサポート設定の使用は不可となります。
・ 複数のクラスター環境には対応していません。
・ スケジュールシャットダウンと連動する場合は以下を参照ください。
PowerChute Network Shutdownでスケジュールされたシャットダウンを実行する方法について


公開日 2021年01月19日
更新日 2023年3月24日

Schneider Electric 日本

添付

Scripts.zipScripts.zip [3.71 KB]
FA415985 スクリプト設定方法 Rev3.pdfFA415985 スクリプト設定方法 Rev3.pdf [472.69 KB]
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製品群:
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