Smart-UPS SUAシリーズ AVR Trim, AVR Boost機能について

Smart-UPS SUAシリーズのAVR Trim, AVR Boost機能について記述しています。

Smart-UPSシリーズには自動電圧調整(AVR)機能が備わっており、
ご使用されている環境の商用電源の電圧がUPSに設定されているしきい値を超えた場合に
UPSが検知してAVR機能が作動します。

1. AVR 機能の種類

・AVR Trim (Smart Trim):
入力電源電圧が上回ると供給する電圧を降圧する機能です。
商用電源電圧の切替値を108Vに設定時には約108〜119Vの間約12％ (*1) 下降させ負荷機器に対して
より100Vに近い電圧値にて電源を供給します。
入力電源側の電圧がしきい値を超えた場合にこの機能が作動し、戻り値を下回ると機能を解除します。
商用電源電圧が高い環境下において本機能が有効になります。

・AVR Boost (Smart Boost) :
入力電源電圧が下回ると供給する電圧を昇圧する機能です。
商用電源電圧の切替値を92Vに設定時には約82〜92Vの間約10％、約76〜82Vの間約24％ (*1) 上昇させ、
負荷機器に対してより100Vに近い電圧値にて電源を供給します。
入力電源側の電圧がしきい値を下回った場合にこの機能が作動し、戻り値を上回ると機能を解除します。
商用電源電圧が低い環境下において本機能が有効になります。

2. AVR 機能の作動、機器への影響について

AVR機能の表示が点等している場合には負荷機器に対して
UPSにおいてより100Vに近い電圧に調整して供給するための機能が作動している状態を示している表示で、
長時間AVR Trim LEDもしくはAVR Boost LEDが常時点灯、作動している場合でも
UPSの寿命等に影響する状態を示すものではなく、問題はありません。

AVR機能は商用電源の電圧がUPSの持ち合わせている戻り値を下回るとAVR Trim, AVR Boostが解除されます。

なお、本機能はUPS電源管理ソフトウェアのData Logには記録されない瞬時の電圧変動についても
UPS本体が電圧変化に応じ機能を有効にします。
このため、ログ上ではしきい値を超えていない場合にも動作が有効になります。

3. 切り替えしきい値を変更する必要がある環境について

ご使用いただいている電源環境によっては、その電源の乱れによりAVR TrimもしくはAVR Boost が短時間に作動と解除を繰り返す場合があります。
1分間に2〜3回またはそれ以上、または一日のうちに作動、解除されるような状態が何度か記録される環境においてご使用の場合には
出力電圧を安定させ、AVR機能の作動頻度を低減させる必要があります。
この場合には作動電圧のしきい値を広げるよう設定変更したうえで、ご使用下さい。

改善が見られない場合には感度を一つ下げ、現在"高"で設定の場合には"中"、"中"の場合には"低"に変更ください。

• タワー型モデルの切替値の例：
  切替値（上限） 108, 110, 112, 114V
  切替値（下限） 86, 88, 90, 92V
  
  注: 選択できる切替値は機種により数値は異なります。