エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、昨年「アドバンストライトハウス」に認定されたケンタッキー州レキシントンのスマートファクトリーが、今年の世界経済フォーラムにて、世界で三カ所のみが認定されている「サステナビリティライトハウス」の一つとして認められたと発表しました。また、世界経済フォーラムは、中国の無錫にあるスマートファクトリーを、ケンタッキー州のレキシントン、インドネシアのバタム島、そしてフランスのルヴォードライユ工場に次ぐ、シュナイダーエレクトリック史上4番目の「アドバンストライトハウス」に認定しました。
Schneider Electric’s Smart Factory in Lexington, Kentucky
世界経済フォーラムのサステナビリティライトハウス認定は、製造現場における第4次産業革命(4IR)テクノロジーによって、事業活動で新たなレベルのサステナビリティを追求し、事業競争力向上と環境への責務を両立しながらクリーンかつ持続可能な未来をもたらすソリューションを探求している企業を認定するものです。
ケンタッキー州レキシントンのスマートファクトリーは、プラントにおいていつどこでエネルギーが消費されたかをより詳細に把握するために、電力計と予測分析を備えたIoT接続を活用してエネルギーコストを最適化し、結果、エネルギー使用量26%削減(GWh)、ネットCO2排出量30%削減、水使用量20%削減を実現したことで、米国エネルギー省が推進するエネルギーパフォーマンスについての認定プログラム “Superior Energy Performance” においてPlatinum SEP(Superior Energy Performance )50001にも認定されました。
無錫のスマートファクトリーは、レキシントン工場に続くシュナイダーエレクトリック史上二番目の工場としてエンドツーエンドの「アドバンストライトハウス」のステータスを獲得しました。これらの認定は、レキシントン工場と無錫工場が共に、工場、バリューチェーン、ビジネスモデルを変革するために4IRテクノロジーを採用していることが認められたことを意味します。
Schneider Electric’s Smart Factory in Wuxi, China
多くの製品を展開する電機製造拠点である無錫のスマートファクトリーは、シュナイダーエレクトリックの4IRテクノロジーであるEcoStruxureを活用し、エンドツーエンドのバリューチェーンを再構築しました。自動化されたサプライチェーン管理、5G通信に支えられた臨機応変な生産、拡張現実、デジタルツインなどの最新のデジタルツールを使用することで、柔軟性、効率、市場投入までの時間、そして持続可能性を向上させることに成功しています。
シュナイダーエレクトリックのグローバルサプライチェーン担当のエグゼクティブバイスプレジデントMourad Tamoudは、以下のように述べています。
「世界経済フォーラムにてレキシントンと無錫が表彰されたことは、第4次産業革命(4IR)のテクノロジーを通じて私たちが何を成し遂げられるかを表しています。テクノロジーが持続可能性やビジネスのスピード、回復力にもたらすメリットは非常に強力です。私たちは、デジタル化とサステナビリティ実現のための信頼できるパートナーとして、お客様と社会に貢献するために、デジタルサプライチェーンを継続的に強化することを目指しています。」
また、無錫工場のデジタルトランスフォーメーションは、生産効率とエネルギー効率のさらなる向上を実現しながら、カスタマイズによる顧客のニーズの拡大に以下のような形での対応を可能にしました。
- 信頼できる唯一の情報源として自律的なサプライチェーンシステムを実現し、納期を30%改善
- 5G通信と協働ロボット(コボット)の自動化を活用して臨機応変かつ柔軟な生産を行い、市場投入時間を25%短縮、ライン投資を50%改善
- デジタルツインによる暖房と換気の最適化で、エネルギー消費効率を32%向上
Mourad Tamoud は、シュナイダーエレクトリックの強みは従業員であると主張します。「このテクノロジーを活用しているのはシュナイダーの従業員であり、私たちは工場で働く従業員のスキルと専門知識向上に投資して能力を強化しています。今回の受賞は、従業員の戦略と、従業員および高度なテクノロジーへの投資の証です。」
世界経済フォーラムは、第4次産業革命の成長をリードするメーカーを表彰するため、2018年にマッキンゼー・アンド・カンパニーと共にグローバルライトハウスネットワークのイニシアチブを開始しました。無錫工場は、グローバルライトハウスネットワークの中で、4IRテクノロジーを通じてビジネスモデルの革新と顧客価値の向上を実現しているとされる90のリストに加わりました。これらの企業は、デジタルオペレーションが生産性と効率の向上を生み出し、広範囲にわたる混乱と課題に直面しても持続可能な成長を可能にする方法を示しています。
STRIVE プログラムについて
無錫とレキシントンの工場は、40か国以上・300箇所近くに亘るシュナイダーエレクトリックの工場・ロジスティクスセンター網に含まれる拠点として、同社が次世代のサプライチェーンを目指すプロジェクトとして推進しているSTRIVEプログラムの一部にもなっており、収益性と効率を高めながら、持続可能性に向けて根本的な課題に取り組んでいます。
STRIVE(Sustainable、Trusted、Resilient、Intelligent、Velocity and Efficiency)プログラムは、圧倒的なスピード感と革新性を備えた、地球環境と顧客中心のサプライチェーンを目指しています。
•持続可能性(Sustainable)–シュナイダーエレクトリックは、地域の生物多様性を保護しながら、カーボンニュートラルで循環的なサプライチェーンを構築するプロジェクトを実行します。
•信頼性とレジリエンス(Trusted & Resilient)– シュナイダーエレクトリックは、マルチソーシングを通じてレジリエンスを強化し、生産ラインにおいていかなる失敗も発生しないよう最善を尽くします。テクノロジーを活用することで、お客様に高度にパーソナライズされた体験を提供し、業務のエンドツーエンドの視点を用いて優れた品質を確保します。
•インテリジェント(Intelligent)–シュナイダーエレクトリックは、デジタル技術を活用した予測や予防、自動化によって、柔軟性の高いリモートで調整されたサプライチェーンを実現します。
•速さと効率(Velocity & Efficiency)–シュナイダーエレクトリックは、地域における強い存在感と、機敏な考え方、および供給パートナーの力を活用します。
STRIVEプログラムは、電化とデジタル化が気候変動との戦いにおいて切り離せないツールであるというシュナイダーエレクトリックのビジョンの一部です。このビジョンにより、シュナイダーエレクトリックは最新のランキングによると2021年のGartnerサプライチェーントップ25で4位になり、また同年にCorporate Knightsによって世界で最も持続可能な企業に選ばれました。