エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、2020年7月14日、新しいスイッチギヤ「SM AirSeT」のグリーンかつデジタルな中電圧技術が評価され、Industrial Energy Efficiency Award(IEEA)をエネルギー経済部門で受賞しました。この技術により、グリッドや産業用電気設備への電力供給のための機器に標準的に使われてきた、温室効果ガスの六フッ化硫黄(SF6)からの脱却が可能となります。
Industrial Energy Efficiency Awardは、高エネルギー効率ソリューションへの投資と、その適用に対する企業の取り組みを表彰する賞で、独立した市場調査・コンサルティング会社であるEuPD Research社との連携により、ハノーバーメッセデジタルデイズにてイベント主催者のドイツメッセから授与されました。選定にあたり、その革新性の熱量、エネルギー効率への貢献、経済的ベネフィット、社会的持続可能性が、審査員の評価基準となっています。
シュナイダーエレクトリックのエグゼクティブバイスプレジデント-パワーシステムプレジデントのフレデリック・ゴデメル(Frederic Godemel)は、以下のように述べています。「世界中で電化傾向が高まり、再生可能エネルギーが成長を続けるに従って、より多くの中圧*スイッチギヤが必要とされています。温室効果ガスをクリーンな空気に置き換えた我々の新しいSF6フリー技術は、グリッドの脱炭素化と、真にクリーンな電力システムの実現への重要な一歩を実現したと言えるでしょう。我々が持続可能な電力の未来を開拓できたことを誇りに思うと同時に、今回の受賞を大変嬉しく思っています。」
「SM AirSeT」の中圧*開閉装置には、シュナイダーエレクトリックの新しいシャント真空遮断(SVI)技術と組み合わせたクリーンな空気絶縁を使用しています。物理的にコンパクトな設置面積や費用対効果、信頼性の高い動作モードなど、SF6ガスを用いた従来型装置のメリットはそのままに、グリーンテクノロジーを採用することが可能となります。
「開閉装置のSF6ガスを通常の空気に置き換えることは、エネルギー産業をより持続可能なものにすることにつながります。 シュナイダーエレクトリックは、複雑なセットアップを必要としない革新的なソリューションを開発し、その活用をさまざまなプロジェクトで実証しました。」と、EuPD Research社のマネージングパートナーでエネルギー産業の責任者であるマーティン・アモンは述べました。
代表的な実証例に、ニューカレドニアの電力会社 EEC ENGIEとのプロジェクトがあります。EEC ENGIEがグリッドの脱炭素化を追求していく中で、既にSM AirSeTの価値が証明されています。EEC ENGIEニューカレドニアのエネルギー調達マネージャーであるドミニク・ロッカー(Dominique Roecker)は、次のように述べています。「EEC ENGIEを代表して、私たちのエコシステムと顧客のためによりクリーンなエネルギーの開発を促進するユニークな技術の進歩に貢献できたことを誇りに思います。SF6ガスを使わない絶縁技術は、廃棄物処理の問題に直面している、私たちの島と遠方領土への電力供給網運用において非常に重要です。こうした低炭素化に取り組むメーカーやその顧客を表彰する、ハノーバーメッセに感謝します。」
シュナイダーエレクトリックは、他にもスウェーデンのE.ONやフランスのGreenAlpなど、多くの電力会社で新しいSF6ガスを用いない中圧*のパイロットプロジェクトが成功したことを報告しており、商用および産業用の民間電力ネットワークを含め、定期的なエネルギー供給に貢献しています。
今回の受賞以前にも、シュナイダーエレクトリックの「SM AirSeT」の技術は、今年5月に、国際的なデザイン振興機関である、インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(通称iF)主催の世界的なデザイン賞、「iFデザインアワード」を受賞しています。また、IEEAと同じくハノーバーメッセで表彰される世界的なテクノロジーの賞、HERMES Awardのファイナリスト3社にもノミネートされました。
*中圧=7.2kV~24kV