エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、UPS市場をリードしてきたAPCブランドより、小規模オフィスや店舗、工場など専用サーバールームのスペースを確保できない環境にもクイックかつ低コストに設置可能なIT機器格納用ラック「APC™ NetShelter™ Soundproof ラックエンクロージャー」(以下、Soundproof ラックエンクロージャー)を発売しました。静音性・排熱性に優れたオープンスペースへの設置に最適なラックとして、本日2024年6月26日より提供を開始します。
図:新製品「APC NetShelter Soundproof ラックエンクロージャー」
DX推進の影響を受け、サーバーなどのIT機器を専用環境ではない場所に設置するケースが増加しています。オフィスにおけるデータ管理などの情報システム用途はもちろん、商業店舗の無人レジや人感センサー・カメラなどのシステム、工場など産業現場のIoT機器やデータストレージ、クラウドシステムと連携するためのネットワーク機器など、幅広いIT機器が多様な環境に設置される時代となりました。加えて、AI技術の活用を見据えたハイレベルなコンピューティングへのニーズは、クラウドだけでなくエッジ環境にも求められ始めており、重量や温度などの観点で、高密度なIT機器をより柔軟に設置できる選択肢が重要視されています。
APCブランドでは、従来から非IT環境にも設置可能な専用ラックエンクロージャーとして、必要な機器や排熱機能などを1つのラックに納めて設置する “サーバー in a box”というコンセプトで、オフィスや店舗のインテリアにも馴染む家具調素材を用いた「APC NetShelter CXシリーズ」(以下CXシリーズ)を提供してきました。今回発売を開始するSoundproof ラックエンクロージャーは、これまで展開してきたCXシリーズに、高密度化が進む市場ニーズを加味した機能を追加しています。
Soundproof ラックエンクロージャーは、オフィスのような一般的な生活環境に設置することを想定したIT機器向けの専用ラックとして、1つのラック庫内にサーバールームが必要とする機能・設備を集約できる構造を目指したものです。防音構造によってサーバーやファンから発生する騒音を約18.5dB低減し、一般的なオフィス環境同等の46.5dBまで静音性を高めました。また、サーバーから発生する熱の排気を効率的に行えるほか、施錠付ドアや、カメラやセンサーによる温湿度・煙等の遠隔監視機能*など、多くの人が出入りするオープンスペースへ設置する場合に安心なセキュリティー性能を備えています。こうした機能を1つのラックのみで構成できるため、一般的なサーバールーム構築に必要だった空調設備や二重床のための工事が不要となり、IT機器に最適な環境をクイックに、かつ約5分の1程度の低コストで構築可能です。今回のリニューアルにあたっては、ラックサーバーへの標準対応や耐荷重量・耐久性の向上、ケーブルや排熱のためのエアフローマネジメントの効率向上など、より限られた条件で高密度なIT環境を整備するために必要となる機能を追加し、幅広い市場での柔軟なITインフラ構築を支援します。
「APC™ NetShelter™ Soundproof ラックエンクロージャー」の主な特徴
- 高い静音性:防音構造により、サーバーやファンから外部に漏れる騒音を最小限に低減
(約18.5dBの低減により、平均的なオフィス環境レベルの46.5dBを実現) - 素早いセットアップ:施錠付ドア、排熱ファン、配電(ラックPDU)標準搭載で、迅速に安全なシステムを構築
- 低コストで構築可能:空調設備や二重床などの対策不要、サーバールーム対比1/5以下のコストで導入可能
- 高さの異なる4サイズをラインアップ:12U、17U、32U、38Uの4サイズを完備
従来機 CXシリーズからの改良点
- ラックサーバー標準対応:最小モデルの12Uサイズもラックサーバーに標準対応、より小規模な環境でのラックサーバー搭載に対応
- 堅牢性、耐久性の向上:耐荷重量を約2倍アップ、キャスターや固定用のレベルフットも堅牢性を強化
- ケーブルマネジメントの利便性: ケーブルのエントリースペースを拡張、増加・大型化するケーブル管理を簡便化
- エアフローマネジメントの効率向上:ラック内の空気を区切るブラシにより、熱気と冷気が混ざりにくい構造に
- 2ピースサイドパネル:側面が施錠可能なサイドパネルとして2分割で開閉可能、側面からのメンテナンス性向上
*カメラやセンサーによる温湿度・煙等の遠隔監視機能=オプションのNetBotz™との連携により実装可能