エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、クラウドベースのITインフラ設備管理ソリューション「EcoStruxure™ IT Expert」に、リモートでラックマウントPDUの電源管理を可能にするデバイスコントロール機能を追加したことを本日発表しました。
あらゆる業界の現場でデジタルトランスフォーメーションが加速し、一般オフィスや工場、商業施設など、これまでITインフラを必要としなかったような環境にもIT機器や通信機器が設置されるようになったことから、機器のモニタリングやメンテナンスを必要とする拠点の数が爆発的に増加し、それに伴う管理・監視のための人的リソース不足が深刻化しています。経済産業省によると、日本におけるIT人材の不足数は、2030年には最大約79万人*¹になると試算されています。その一方で、リモートワーク等に代表される新しい働き方を求める声も高まっており、現地に赴いて対応が必要となるIT管理の担当者からは、遠隔地からでも柔軟に管理できるソリューションのニーズが多くありました。
シュナイダーエレクトリックのEcoStruxure IT Expertは、ITインフラ設備の稼働状況、温湿度などの環境情報、セキュリティ情報などのデータを収集し、クラウドベースで監視や管理を行うことを可能にした、ITインフラ設備管理ソリューションです。クラウドに集約された情報を元に、遠隔地からでもITインフラの稼働状況をリアルタイムでモニタリングすることができるため、小規模拠点を複数抱えたチェーン店舗や営業所など、常駐のIT管理者を十分に設置できないようなエッジ環境におけるITインフラのモニタリング用途で特に重用されてきました。
今回新たに追加となったデバイスコントロール機能により、遠隔地のIT管理者は、モニタリングを行うだけでなく、ラックマウントPDUの電源オン/オフを現地に行かずに操作することが可能となります。エラーなどの問題発生時、遠隔操作からでも再起動を行うことができるため、迅速な復旧やスピーディーな原因特定などに貢献します。また、サーバやストレージなどの電源を遠隔地からより柔軟にオン/オフできることから、休日や夜間などの稼働不要時に電力を落とすなど、より積極的な省エネ施策が実行可能となります。シュナイダーエレクトリックの試算では、土日などの休日に電源を落とすことで約29%の電力削減、更に平日8時間のみの稼働に限定することで約76%の電力削減が可能という結果になりました。
シュナイダーエレクトリックは、過去長年にわたりオンプレミスやクラウドでのデータセンターインフラ管理ソリューション(DCIM:Data Center Infrastructure Management)を手掛けてきた実績があり、全世界での導入実績を備えています。今後、オンプレミス型のDCIMで行っていた管理・監視や操作を、クラウドベースでも柔軟に行える環境を目指し、ラックマウントPDU以外にもデバイスコントロール機能の対応機器範囲を拡充します。
デバイスコントロール機能による電力消費量削減について
以下のシミュレーションでは、土日に電源をオフにした場合で約29%、平日の営業時間以外にオフにした場合は約76%の削減が期待できることを示しています。
ITインフラの稼働時間による電気・CO2排出量の削減のシミュレーション(当社調べ)
*使用電力量=0.9 kW:サーバ0.6kW(3台) + ストレージ0.2kW(1台) + ネットワークスイッチ0.1kW(1台) の最小構成を想定
*電気代 27円/kWh、CO2排出 0.69kg-CO2/kWhとして算出
24時間365日稼動 |
土日のみオフ |
平日8時間のみ |
|
年間電気代 |
212,868 円 |
152,049 円 (▲60,819円) |
50,683 円 (▲162,185円) |
年間CO2排出量 |
5,440 kg |
3,886 kg (▲1,544kg) |
1,295 kg (▲4,145kg) |
年間電気代・CO₂排出量 削減率 |
ー |
29% |
76% |
構成例
*1: 出典=経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年3月) https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf