エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、同社のポートフォリオを構成するプロセス制御システムのソフトウェアブランドProLeiT(プロレイト)のソリューションを日本市場向けに提供開始することを本日発表します。
飲食料品製造業界では、消費者ニーズの多様化に伴う少量多品種生産への対応やトレーサビリティ向上を目的として、生産管理システムや在庫管理システムの導入、デジタル化が進んでいます。しかし、日本においてこうしたシステムはメーカー各社それぞれ独自の専用システムとして設計されるケースが多く、導入後のメンテナンスや拡張、サイバーセキュリティー対策などの際に膨大な工数やコストがかかるなど、汎用性のなさが課題となっていました。今回シュナイダーエレクトリックが日本で展開を開始するProLeiTは、こうした飲食品製造をはじめとするプロセス制御に、オープンで汎用性の高い柔軟なシステムを提供するものです。
ProLeiTは、ドイツで生まれたソフトウェアソリューションブランドで、30年以上にわたり、プロセス制御技術、自動化ソリューション、製造実行システム(MES)の機能を統合したシステムを開発・販売してきた歴史を持ちます。飲料、乳製品、食品業界で高いシェアを持っており、特に醸造工程を持つビール飲料においては、ProLeiTが導入されている醸造所での生産量が、全世界のビール生産量の約5分の1にあたる年間2億5000万ヘクトリットル以上を占めています。2020年にプロセス制御向けのソフトウェアブランドとしてシュナイダーエレクトリックのポートフォリオに加わり、シュナイダーのPLCをはじめとする各種製品やAVEVAソフトウェアとの接続性によって、現場のデジタルトランスフォーメーションを強力に後押ししてきました。
今回、日本市場向けには、ProLeiTブランドのソリューションとして、以下2製品の国内向け展開を開始します。
MES統合型モジュール式プロセス制御システム Plant iT(プラントアイティー)
モジュール式プロセス制御システムPlant iTは、MES機能が統合されたオープンなPLCベースのプロセス制御システムです。運転データ取得、プロセス制御、液体性管理、バッチシステムから、リモートにも対応した生産管理(MES)まで、プラントを運用するために必要なソリューションを統合しています。プロセス制御については、オブジェクト指向のソフトウェア設計により、従来プログラミングで行っていたプロセス制御の多くを、パラメータ設定のみで完結させることができ、プログラミング工数の削減だけでなく、プログラムの再利用性を大幅に高めています。また、コンパイラレスアーキテクチャを採用することで、システムが稼働中であってもパラメータの変更により制御シーケンスの変更を行えるるため、より柔軟なシステム運用が可能となっています。その他、モジュラー設計を採用しているため、必要に応じて、様々なPlant iTモジュールをベースシステムと組み合わせることができます。個々のモジュールは、各アプリケーションに応じて開発されており、例えば、プロセス関連の資材管理や、SAP、Oracle、Microsoftなどの外部のERPシステムに接続するための統合インターフェースなどがあります。
- PLCベースのプロセス制御システム
- オブジェクト指向のオートメーションクラスとパラメータ設定によるノンプログラミング設計
- 最新のユーザビリティ基準で設計された直感的なユーザーインターフェース
- プロセス制御に統合されたMES機能
- モジュラー構造による高い拡張性
MES統合型醸造プロセス制御システム brewmaxx(ブリューマックス)
brewmaxxは、Plant iTの基本機能を継承した、醸造工程を持つプロセス制御に特化したMES搭載型プロセス制御システムです。醸造所における業界固有のプロセスの自動化に対応するため、ProLeiTに在籍する醸造の専門家とシステムエンジニアが、醸造所、プラント設備メーカー、大学などと連携し、業界向けの最新のプロセス制御を提供しています。
ProLeiTのソフトウェアソリューションは、2024年1月31日より3日間にわたり東京ビッグサイト西ホールで開催される、オートメーションと計測の先端技術総合展 IIFES2024のシュナイダーエレクトリックのブース(小間番号 1-20)で参考展示を行います。