エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであり、2021年のサステナビリティ世界No.1に選ばれた*シュナイダーエレクトリックは、日用品や飲食料品の製造における充填機・包装機などの搬送工程に向けた新たなソリューション「Lexium MC12マルチキャリア」の発売を発表しました。日本での提供開始は2021年12月を予定しています。
日用品や飲食料品業界では、様々な消費者ニーズに応えるための多品種変動生産・変種変量生産への対応や、食の安全の観点からトレーサビリティを含むデータ収集の必要性が高まっています。これらの要求に対応するために、充填、包装機械メーカーは、より柔軟な生産に対応できる高性能な機械を短納期に提供することが求められています。
充填機や包装機のパフォーマンス向上、変種変量生産の実現において、搬送システムは非常に重要な要素となります。同一製品を一定速度でのみ搬送するベルトコンベア式が主流だった時代を経て、搬送物の速度を変えて個別に制御できるリニア搬送が登場し、徐々にフレキシブルな搬送工程の実現が可能となってきましたが、まだまだ設計上の制限が多く、その構造の複雑さから設計・インストール・試運転などに膨大な時間とコストが必要でした。
今回発売するLexium MC12マルチキャリアは、ループ型のレール上にリニアモーターで駆動する複数のキャリアを走らせ、ワークを独立して搬送・位置決めすることができる、次世代搬送システムです。ループ形状にすることで、キャリアの始点・終点を考える必要がなく、受け渡しや原点復帰を省くことができ、よりシンプルな搬送設計に寄与します。
Lexium MC12マルチキャリア
更に、シュナイダーエレクトリックのLexium MC12マルチキャリアは、キャリア1つを1軸のモーション制御と捉え、複数軸の同期制御を可能とするコントローラPacDriveを活用することで、前後工程のモーション制御やロボット搬送などを含めたシステム全体で完全同期のプログラミングを実現しています。また、デジタルツインを実現できる専用ソフトウェアで、設計・試運転などの工数・コストの大幅な削減を実現しました。新たな生産ラインの設計において、市場に製品を投入するまでの時間を圧倒的に縮めることが可能となり、シンプルな構造と耐久性で省スペース設置や導入後のオペレーション効率化にも貢献します。
Lexium MC12マルチキャリアの特長
- モジュラー構造
ー レールパーツ(直線/曲線の2種)とキャリアを組み合わせるだけで設計が可能
ー 設計工数、段取り工数の大幅な削減に貢献
- 専用ソフトウェア
ー 独立したキャリアの動きを簡単に動作設定可能
ー デジタルツインでのシミュレーションにより、実機不要でテスト運転やシステムの最適化が可能
ー 設計工数、試運転コストを削減
- 省スペース設置
ー ループの内側に配線がはみ出ない省配線設計のため、内円をロボットの設置スペースなどに有効活用可能。従来のコンベア式搬送と比較して、最大20%設置スペースを節約
ー カーブ部分も作業工程として使用可能
- 導入後のオペレーション効率・耐久性向上
ー キャリアの取り付け/取り外しはワンタッチで完結。専用工具やネジの取り外し不要で段取り替えのオペレーションをシンプル化
ー スピーディーな起動/再起動を実現
ー 反復運動など激しい移動でも発熱なし
ー IP65対応:本体を丸洗い可能、幅広い洗浄成分への耐性を保証
- EcoStruxure Machine Advisorとの連携
シュナイダーエレクトリックが提供するクラウド型常時監視サービス「EcoStruxure Machine Advisor」と組み合わせることにより、遠隔地からの装置の状態監視、予兆保全が可能。エンドユーザーへの新しいアフターサービス提供をサポート
なお、11月10日~12日に開催する、シュナイダーエレクトリックのオンラインイベント「Innovation Summit Japan 2021」(無料、事前登録制)では、製造業界向けのソリューションに特化してご紹介する11月11日(木)のセッションにて、本製品についてのより詳しいご紹介をお届けします。
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*2021年のサステナビリティ世界No.1:出展=Corporate Knights Global 100 Index