エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、豊田ケミカルエンジニアリング株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 林 由浩、以下 豊田ケミカル)の油入変圧器に、日本国内初となる遠隔常時状態監視ソリューション「EcoStruxure Transformer Expert(エコストラクチャー トランスフォーマー エキスパート)」の導入が決定したことを発表します。
プラント・工場・発電所などで受変電設備として使用される油入変圧器は、国内で毎月3万台以上*が生産され全国で広く使用されているにも関わらず、これまで定点的な検査を行う以外にメンテナンス手段がないことが課題となってきました。常時監視が難しいことから故障の予兆に気づきにくく、交換時期の判断も難しいため、まだ使用できる状態であってもメーカー各社が推奨する時期に定期的な交換・廃棄を行うしかないのが現状でした。
今回導入が決定したEcoStruxure Transformer Expertは、こうした油入変圧器の常時リアルタイム監視と交換時期の最適化を実現するソリューションです。油入変圧器に取り付けた通信機能付きのIoTセンサーから、オイルの水分含有量や温度などを常時リアルタイムに取得し、取得データをシュナイダー独自のアルゴリズムに基づいて分析することで、変圧器の寿命予測診断を行うことができます。これにより、今まで見極めの難しかった油入変圧器においても、決まった周期でメンテナンスを行うTBM(Time Based Maintenance)から設備の状態を正しく把握して故障・不具合が発生する前にメンテナンスを行うCBM(Condition Based Maintenance)への移行が可能となり、メンテナンスや交換頻度の最適化が実現します。
豊田ケミカルは、産業廃棄物処理とリサイクルのスペシャリストとして、あらゆる産業活動をバックアップしています。産業廃棄物処理事業では廃棄物焼却熱からの発電や、ハイブリッド電池のリサイクル事業では、ハイブリッド車に搭載されているHV電池(ニッケル水素電池)の原料化も行っています。今回シュナイダーのソリューションを導入した同社の半田工場(愛知県半田市)では、24時間365日稼働する設備において、受変電設備の効率運用の必要性を感じていたことから、リアルタイム監視や交換時期の最適化が可能となるEcoStruxure Transformer Expertの導入を決定しました。
少子高齢化が進む日本社会において、サービス・保守・保全の分野は、今後ますます働き手不足が深刻化することが懸念されています。あらゆるプロセスを電化し、デジタルの力で効率性と持続可能性を高めるパートナーとなることを目指すシュナイダーエレクトリックは、保守・保全のプロセスをデジタル化し、よりスマートで最適化されたデータドリブンなものへ転換するため、効率的で持続可能なデジタルソリューションを提供していきます。
*出典=経済産業省 生産動態統計 標準油入り変圧器の販売台数(2021年12月-2022年12月)
【参考資料】EcoStruxure Transformer Expertの主な機能と特長
- センサーからのデータ取得による常時リアルタイム監視
水分含有量や温度、環境温度、部分放電(PD)、震動、磁気などのデータを常時取得。クラウド環境のダッシュボードでリアルタイムに監視が可能 - シュナイダー独自のアルゴリズムに基づく故障リスク・寿命予測診断
取得データを元に、重合度や油・絶縁紙の含水量を解析し、メンテナンスの必要性を提案 - センサー端末そのものにモバイル通信機能が付帯、ネットワーク設定不要
図1: EcoStruxure Transformer ExpertのIoTセンサー
図2: ダッシュボード上でのデータ表示サンプル
EcoStruxure Transformer Expert 詳細ページ(英語)
https://www.se.com/ww/en/product-range/135613915-ecostruxure-transformer-expert/
○製品についてのお問い合わせ:シュナイダーエレクトリック カスタマーケアセンター TEL: 03-4578-4697